特別なファイルのパーミッションについて説明します。 |
第三章:パーミッション(2)
この章では、第一章では扱わなかった特別なパーミッションの意味と設定方法を説明し ます。
第一章で扱ったパーミッション以外にも
- Set UID Bit
- Sticky Bit
というパーミッションが存在します。
では、まずSet UID Bit(以下S-bit)について説明します。-rwSr--r-- 1 mew user 0 Jul 11 22:38 file1 -rwSr-Sr-- 1 mew user 0 Jul 11 22:38 file2上記のようになっているファイルがあればS-bitが立っています。 ユーザにS-bitが立っていれば実行ユーザが誰であろうと実行ファイルのオーナーユーザ が実効ユーザ、グループにS-bitが立っていれば実行ユーザの属するグループがなんであ ろうと実行ファイルのオーナーグループが実効グループとなります。
例えば、
user: ikeno
group: dev
が、file1を実行した場合、
パーミッション/オーナ/グループ 実効ユーザ 実効グループ -rwxr-xr-x / mew / user ikeno dev -rwSr-xr-x / mew / user mew dev -rwxr-Sr-x / mew / user ikeno user -rwSr-Sr-x / mew / user mew user S-bitを立てるときは十分に注意してください。不用意にS-bitを立てると、他の人が実 行しても実行ユーザが自分になってしまうため、予測もつかない事態が起こることがあ ります。
次にSticky Bitについて説明します。drwxr-xr-t 2 mew user 512 Jul 11 22:39 foo上記のようになっているディレクトリがあればSticky Bitが立っているディレクトリです。 Sticky Bitとは簡単に言えばこのBitを立てることにより、誰でも読み書きできるディレ クトリを作成できるという効果があります。具体的にはchmod u+t directoryとすることにより、簡単に作成できます。システム上にある/tmpも このSticky Bitが立っているディレクトリです。
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